高級ホテルグループではそれぞれ上級会員制度を用意しているところが多いですが、実は同じホテルグループの中でも複数の会員制度・組織があることも。
複数の制度を持つところでは、通常の宿泊(滞在)実績を重ねたゲストのみが上級会員になれるものの他に、お金を払えば特典を得られる有料の会員制度を別途用意しているグループが多いですね。
たとえば日本国内ヒルトン限定の『ヒルトン・プレミアム・クラブ・ジャパン(HPCJ』もそうですし、ややマイナーなところではオークラニッコーホテルズの日航札幌と日航帯広限定で使えた『ファウンテンズクラブ』なんかも該当するでしょうか。
今回はそんな有料会員制度の中でも、IHGグループの『インターコンチネンタルアンバサダー』に入会してみましたので、特典やメリットなどをご紹介していきたいと思います。
インターコンチネンタルアンバサダーとは?
『インターコンチネンタルアンバサダー』は、IHG(インターコンチネンタルホテルズ)グループの中でも最高級ブランドに位置する『インターコンチネンタル』のホテルでのみ利用できる会員制度です。
そのため、同じIHGグループでもANAクラウンプラザやホリデイインといった他ブランドのホテルでは特典を利用することができません。
あくまで「インターコンチネンタル」限定の「アンバサダープログラム」ということですね。
入会費200USドル、更新年会費200USドルを払うことで誰でも無条件で入会・維持することが可能です。
インターコンチネンタルアンバサダーの特典・メリット
約2万円の年会費を払って入会する『インターコンチネンタルアンバサダー』。
いったいどんなメリットがあるのでしょうか?主な特典は下記になります。
インターコンチネンタルアンバサダーの主な特典一覧
- IHGプラチナエリート資格を付与
- 客室1ランクアップグレード保証
- 16時までのレイトチェックアウト
- ウィークエンド無料宿泊
- 20USドル相当の飲食クレジット
- ミネラルウォーター無料
- インターネット無料
かなり盛りだくさんですね。
気になる部分を順番に説明してきます。
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IHGプラチナエリートになれる!
やはりこの中でも一番大きいのはIHGリワーズクラブのプラチナエリートステータスを貰えることでしょう。
IHGリワーズクラブのエリートステータスは上からスパイアエリート、プラチナエリート、ゴールドエリート、クラブの4種類ですが、インターコンチネンタルアンバサダーに入会すると自動的に上から2番目のプラチナエリートのステータスになります。
2019年3月以前はゴールドエリートだったのですが、改定されてプラチナエリートが貰えるようになりました。
ステータスごとの特典詳細は公式サイトを確認していただければと思いますが、IHGリワーズクラブでは客室アップグレードやボーナスポイントといった、ホテルプログラムでも特に重視する部分でゴールドとプラチナの差がかなり大きいので、これは嬉しいですね。
普通にエリートステータスを獲得しようと思ったら、ゴールドは10泊か10000ポイントでなれるので比較的ハードルは低めですが、プラチナは40泊か40000ポイント必要なので難しい人も多いでしょう。
またインターコンチネンタルアンバサダーはインターコンチネンタルホテル限定の特典とお話ししましたが、IHGプラチナを貰えるので当然クラウンプラザなど他のホテルでもプラチナ特典は適用されます。
客室アップグレードが“保証”されている!
また、客室アップグレードが“保証”されているのもポイント。
各ホテルの上級会員ではアップグレード特典が付いていることが多いですが、多くはあくまで空室状況次第という注釈付きで、空きがない場合にはアップグレードされないこともあります。これはIHGリワーズクラブも同じです。
その点インターコンチネンタルアンバサダーではアップグレードが保証されているので、最低でも1ランクは確実にアップグレードされるんです。
万一、どうしても全く空室が無い場合には(通常ほぼあり得ませんが)、50USドル相当のクレジットか10000ポイントの補償がされるのも、アップグレードが確約だからこそ。
この点はIHGリワーズクラブの最上級会員スパイアよりも優れていると言えるでしょう。
レイトチェックアウトも“保証”される!
同様に16時までのレイトチェックアウトも、保証されています。
レイトチェックアウトが可能な最大時間はホテルによってもバラバラですが、16時までというのは最長の部類ですよね。
チェックアウトが16時だと、出張でも観光でもかなりゆっくりできるので朝からバタバタしなくて良いのは有難いです。
このレイトチェックアウトも“保証”ですので、万一サービスが受けられない場合は客室アップグレードと同様の補償が適用されます。
ウィークエンド宿泊だけでも元が取れる!
他には、『ウィークエンド無料宿泊』も特徴的でしょうか。
ウィークエンド無料宿泊は、その名の通り週末の連泊、金・土・日曜の2連泊か、土・日・月の2連泊のどちらかのパターンで、2泊目が無料になるというもの。
ただでさえインターコンチネンタルは高級ホテルですし、週末になるとグッと料金も上がるのでその2泊目が無料となるとこれは嬉しい特典ですよね!
一泊2万円以上のタイミングで宿泊すれば実質それだけで年会費の元は取れたようなものです。
ただし、ウィークエンド無料宿泊は専用料金が用意されているので、1泊目が必ずしも最安料金でない点に注意が必要。
このあたりは普通に連泊した場合と料金を比較して、なるべくお得度が高いときに使用するのが良いでしょう。
20USドル相当のクレジットも貰えちゃう!
さらにインターコンチネンタルアンバサダーでは、最大20USドル相当の飲食クレジットが無条件で貰えます。
この飲食クレジットはホテル指定のレストランやバー、ミニバー(冷蔵庫)メニューで利用が可能です(※ルームサービスは不可)。
ルームサービスで使えないのは残念ですが、レストランでの飲食に限らずミニバーにも使えたりとわりと使い勝手は良いですね。
ただしクレジットは1滞在に1回分なので、1泊でも2泊でも20USドルしか貰えません。
また“20USドル相当”というのは、滞在地によって各国の現地通貨に換算されるという意味です。
たとえばアメリカでは20USドルですが、日本では2000円分、ヨーロッパでは15ユーロ分…となります。その他地域によって細かく分かれていますが、だいたい2000円前後使えるクレジットが貰えると思っておけば良いでしょう。
※中華圏では特典が一部異なる
ちなみに中華圏(中国/香港/台湾/マカオ)では一部の特典が異なります。
たとえばさきほどの20USドル相当のクレジットは香港では135HKドルが付与されますが、中国本土では付与されません。
その代替サービスとしてゴールド以上の会員はホテル指定のレストラン&バー(ミニバーは適用外)の利用時に15%割引が適用に。また最上級会員のスパイア限定で、120人民元のクレジットが提供されます。
ただ公式ではクレジット付与の代替と記載されているのですが、なぜかこの15%割引はクレジットが付与されない中国本土だけではなく中華圏共通の特典です(笑)
さらに中華圏共通の特典としてはプラチナ会員以上でウェルカムフルーツのプレゼント。
また中国本土限定の特典として、朝食が無料になります。こちらは1泊ごとに適用されるので滞在中毎日特典を受けられます。
…と、お国柄の慣習なのか法律上の問題なのか?ちょっとややこしいのですが、基本的には中華圏ではプラスαの特典が付くことが多いと思っておくと良いでしょう。
朝食無料なんかはIHGだとスパイアでも特典としてありませんので、かなりお得ですね。
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インターコンチネンタルアンバサダーの入会方法
と、ここまでインターコンチネンタルアンバサダーの主な特典について見てきましたがいかがでしょう?
正直言って「めちゃくちゃお得じゃん」と感じている人が多いのではないでしょうか。
インターコンチネンタルアンバサダーとしては特典もインターコンチネンタル限定ですが、同時にIHGプラチナが貰えるので実質その他のグループホテルでも特典が適用可能で。
2万円払うだけでIHGプラチナが手に入り簡単に上級会員の特典を享受でき、さらにインターコンチネンタルの宿泊時には独自のプラスアルファ特典が色々つく…と考えるとこんなにコスパの良い会員制度も珍しいでしょう。
インターコンチネンタルは元より、IHGグループに宿泊する機会が多いなら年会費を払っても十分に元が取れるでしょう。
そんなメリットの大きい「インターコンチネンタルアンバサダー」ですが、どうやって入会できるのでしょうか。
入会はネットが手軽で楽
公式サイトによると、入会方法はオンライン入会かアンバサダーサービスセンターへの電話、あるいは各地のインターコンチネンタルで可能とのこと。
入会方法によって差はありませんので、公式サイトからのオンライン入会が一番楽でしょう。
実際に私もオンラインで入会しましたし、周りの会員の人やホテルブロガーの方々を見てもオンライン以外で入会している人はあまり見たことがありません。
オンラインで入会すると年会費をクレジットカードで即時決済する形になり、ステータスも即反映されますのでたとえば「明日インターコンチネンタルに泊まるからついでに入会しておこうかな」なんて場合でも可能ですね。
ヒルトンへのステマ最短ルートにも…?
で、この「インターコンチネンタルアンバサダー」、もちろんIHGグループを泊まるときにメリットが大きいというのもそうなのですが、個人的に価値を感じているのはそれだけではなくて。
IHGプラチナが2万円で無条件に・即手に入るということで、すなわちそれは他社上級会員へのステータスマッチの一番お手軽な切符なのでは?と思っているのです。
たとえば私もよく利用しているヒルトングループの会員組織『ヒルトンオナーズ』ではステータスマッチを定期的に受け付けていて、元のステータスによってゴールドかダイヤモンドが付与されます。
ヒルトンはゴールドでも朝食無料や部屋のアップグレードがあったりとそこそこメリットが大きいのですが、ダイヤではラウンジアクセス権が付いたり部屋のアップグレードもスイートまで(ゴールドはエグゼクティブまで)アップグレードされる可能性があったり、やはりサービスには差があります。
そんなヒルトンダイヤをまともに獲得しようと思うと30滞在もしくは60泊か、120,000ポイントが必要とかなりハードルは高めです。
宿泊実績でステータスをゲットしようと思うと週に1~2回はヒルトンに宿泊しないといけませんから、日頃からホテル泊が多い人でヒルトンに宿泊を集中すればまあ達成できるかな?という感じでしょうか。
滞在数だと半分の30回でOKですが、滞在数は何連泊しようと1回の旅程で1滞在しかカウントされませんので、何日間かの旅程でも1日おきに別のホテルに泊まったりデイユースを活用したり…とそれはそれで工夫が必要で面倒です。
あとは『ヒルトンオナーズVISAプラチナカード』というクレジットカードを発行すると10滞在か20泊に条件が緩和されるのと、もしくは年間120万円以上の決済でもダイヤモンドステータスが付与されます。
クレジットカードを日常使う人なら決済をヒルトンVISAに集中させて年間120万円以上の決済が一番楽ですが…ヒルトンVISAの還元率は正直そこまで良くないですし、マイルなど他のポイントプログラムを貯めている場合は決済をばらけさせるのも微妙ですよね。
またヒルトンVISAプラチナの年会費は税込67,500円とけっこうな金額ですので、そこまでコストをかけて取得する必要があるかと言うと…?ちょっと考えものですし万人にはすすめづらいカードなんですよね。
だったらヒルトンVISAゴールドなら年会費も14,150円とグッとお得になり、マイペイすリボなんかを駆使すると年会費をさらに半額まで抑えられますし、ゴールドカードでもヒルトンゴールドは自動的に付与されるので、ゴールドで良いんじゃない?なんて人が多数いるわけです。
実際に私もヒルトンVISAはゴールドを取得して、年会費だけで毎年ゴールドを維持していますし。
そんなわけでヒルトンダイヤを取得しようと思うとどうやってもけっこうなコストがかかってしまうのですが…
「この『インターコンチネンタルアンバサダー』でIHGプラチナを貰って、これでステータスマッチを実行すれば即席でダイヤモンドになれるんじゃないか?」
とふと思いついたわけです。
さきほども説明したようにヒルトンのステータスマッチはマッチ元のステータスや宿泊実績をけっこうちゃんと見られるようで。
かつては適当な(マイナーな)ホテルグループでも、最上位ステータスを持っていれ簡単にダイヤをくれていたのですが、最近は厳しめとのこと。
ただIHGプラチナからのヒルトンダイヤへのステータスマッチ成功率はかなり高いみたいだったので、ひょっとしていけるんじゃないか?と思い、IHGグループでの宿泊はもちろんですが、ヒルトンダイヤへのステータスマッチ挑戦のためにも取得してみた…という経緯があるのです。
はたしてこの戦略が有効だったのか?はまた別の記事で紹介していこうと思います。
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IHGグループに泊まるならインターコンチネンタルアンバサダーに入って損はない!
というわけで、今回はインターコンチネンタルホテルの有料会員制度『インターコンチネンタルアンバサダー』について詳しくご紹介しました。
説明してきましたように、約2万円(200USドル)を支払うだけで即IHGのプラチナエリートステータスが貰えて、さらにインターコンチネンタルホテルで使える様々な特典まで付いてくると考えると、年会費以上の価値は十分にある制度でしょう。
ウィークエンド無料宿泊なんかをうまく使えばそれだけで年会費の元は取れてしまう…ということでしたね。
またIHGのプラチナはホテルグループのエリートステータスの中でもメジャーでそれなりに価値のあるものですから、他社のステータスマッチにも使いやすいのではないか?と個人的には考えています。
実際に私もヒルトンゴールドからヒルトンダイヤになれるのか?IHGプラチナを引っ提げて挑戦してみましたので、結果はまた別の機会にご紹介できればと思います。
ともかく、たくさんあるホテルグループの会員制度の中でも、『インターコンチネンタルアンバサダー』はかなり優秀で優良な会員制度ですので、IHGグループに年何回か宿泊する予定があるならぜひ加入してみてください。
絶対損はないですし、後悔もしないはずですので。
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